2023-1-22『二つの道』山口紀子牧師

聖書:詩編第1編
 更生教会の本年聖句である「御言葉を行う人になる」には、謙遜で柔らかい心で御言葉を聞くこと。そこから全てが始まります。やがて御言葉の種は芽を出し成長し実を結んでゆく。この豊かな木のモチーフは聖書全体に流れています。この朝の詩編1編もその1つです。
 詩人は詩編150編の入口であるこの1編で二つの道を示します。正しき者と悪しき者。前者は主の教えを喜び、その教えを昼も夜も口ずさみます。それがヤコブの言葉で言えば(1:23-24)、御言葉の鏡の前から立ち去らない人です。
 その人は流れのほとりに移植された木のよう。木は自分では動けません。これはただ恵みにより救われた私たちのこと。いのちの水である聖霊を、御言葉の養いをいただき時満ちて実を結びます。その行いはすべて栄えます。
 長い間、私はこの「すべて栄える」に疑問をもっていました。そんな虫のいいことがあるだろうか。実際すべて栄えるなんてことはないではないか、と。
 しかしここに聖書の深みがありました。この「栄える」とは家内安全、商売繁盛といった日本語でいうところの繁栄ではないのです。聖書の言葉は聖書に聞きます。同じヘブライ語の原語がイザヤ53:10では「成し遂げられる」と訳されています。つまり「栄える」とはキリストの十字架復活によって成し遂げられた救い。それならば、確かに「すべて栄える」のです。
 もう1つの道、悪しき者の道はもみ殻に例えられます。一見同じに見えるもみともみ殻、その違いは風が吹くとわかります。もみ殻は自由に見えてもその果ては滅びなのです。
 正しき者の道とは神に従い御言葉を行う道。悪しき者の道とは神に逆らう道。人生は選択の連続、道が違ったと気づいたらその都度立ち帰ればいいのです。正しき者の道を選ぶ力は主がくださいます。流れのほとりで豊かに実を結ぶ人生を送りなさい、それが主の御心です。

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