2023-4-23『預けられた１ムナ』山口紀子牧師

聖書：ルカによる福音書１９：１１－２７
　エリコまでいらしたイエス様に人々の期待は高まりました。いよいよイエス様がローマ軍を追放、独立を宣言し、エルサレムで即位される。それはすぐに起こるにちがいないと。そこでイエス様が語られたのがムナのたとえです。
　ある身分の高い人が王位を受けて帰るために遠い国へ旅立つ。つまり今すぐというあなた方の期待通りにはならないというのです。王位を受けるためには旅立ち、しばらくいなくなります(昇天)。そして再び来られます(再臨)。その間あなたたちにして欲しいことがあると主は言われます。
　マタイ２５章のタラントンのたとえと似ていますが異なるのはその貨幣価値。１ムナがおよそ100万円としたら１タラントンは6000万円です。またタラントンはそれぞれの力に応じて預かる額が異なりますが、ムナは一律です。
　タラントンは能力や才能などの賜物でした。では一律に与えられるムナとは何か。それは信仰であるといえます。信仰も与えられるものなのです。
　救い主イエス・キリストは真の王として再び来られる。その時、神の国が完成するという信仰。それが私たちに等しく与えられている１ムナです。それを信じて今の時代を生きること、それが商売をすることです。この約束の価値をどう受け止めるかが問われます。そこにこのたとえがムナである意味があります。タラントンに比べれば少額、しかしはした金ではない。あなたはその価値をどうみるでしょうか。