聖書：ルカによる福音書２４：１３－３５
「富士山が見えるよ」そう言われて雲間を探していた時はわからず、あきらめて目を上げたら富士山が雲の上に突き出ていた…そんな経験をしたことがあります。
イエス様の復活を初めて聞いた人は、弟子たちのように馬鹿げたことと受け止める、むしろそれが普通でしょう。しかしそこで考えることをやめたら、富士山を見ようともしないのと似ています。
復活？それはどういうことだろうかと思い巡らす、それは富士山を探し始めている状態です。ただ、雲より下だと思い込み、下ばかりを探すのが私たち。そうじゃない、もっと上だと教えてくれるのがこの朝の「エマオ途上」の出来事です。
「ここ数日そこで起こったこと」を論じ合っていた二人の弟子に、復活のキリストは聖書全体から説き明かします。「ここ数日…」を雲の下とすると「聖書全体」が雲の上です。スケールがそもそも違うのです。
スケールには物差しの意味もあります。復活を自分の常識、経験というスケールで測っていたら、いつまでたってもそれはありえない、となります。そうではなく、心を柔らかくして聖書に聞く、それも聖書全体から聞く時に、復活が必然であり、深い神の愛の実現であることを知識ではなく心でわかるようになるのです。
暗い顔をしていた二人は、いつの間にか心が燃えていました。私たちもそれを経験します。
